2014年12月18日

改めて風邪って何なのだろう

TVで風邪の対処法を解説していたのだが、出てきた先生のあまりの説明の省き方に驚いた。

お昼ごはんを食べながら見ていたTVでのクイズで

「風邪をひいたら暖かくして、汗をかくようにして休む」

というのが正しくない、今は汗をかくようにしないで、解熱するのが先だと解説していた。

夜見たTVでは一転「風邪の初発には葛根湯を飲み暖かくしましょう」と言っていた。


また別の某薬科大の先生は「薬局の風邪薬は色々な症状に対応して便利なのだが、お医者さんの風邪薬は効果の強いものが多く、抗生物質も使うので良く効く」と解説していた。


何!何!この先生現場に出たことあるの?


風邪とはウイルスによる上気道感染で、抗生物質は効果が無く、普通感冒では使ってはいけないのだ

医療費が高騰しているのでその抑制のため、普通感冒のお薬はお医者さんのお薬も、薬局のお薬も最近は成分が同じになっている。厚生労働省ではちょっとした風邪は薬局でとの方針で、スイッチOTCといってお医者さんの使っていたお薬を、薬局に一部解禁しているのだ。


ただし肺炎や気管支炎を併発しそうなときは、各種抗生物質が力を発揮する。


暖かくして寝るに話を戻すと、葛根湯は風邪のひき始めの悪寒(さむけ)に対し、体を温め発汗させることで風邪に効く薬だ。風邪の70%はこの薬が効くといわれている。

ウイルスは熱に弱いので、まだウイルスが体内で猛威を起こす前なら増殖を抑制できる、だから暖かくし、葛根湯を飲み、栄養をとればウイルスに対抗できるのだ。

インフルエンザに関しても坑インフルエンザ薬がすぐに手に入らないのであれば、同様の処置で効果がある。


抗生物質を使用しても治療までの期間は変わらないとの研究がある。某難関薬科大の先生何を勉強しているのだろう。わかっているはずなのに省略しすぎで、一般の方には間違った情報となってしまう。


「先生、風邪ひいたから抗生物質出してください」


これは無理な注文で、そのようなことが日常となってしまったら、耐性菌を数限りなく作ってしまい、恐ろしいことになってしまう。


こんなこともあった

上高地に地域の旅行で行ったとき、近所のおばさんが鼻をたらし、寒気がする、何か薬持っていないというので、手持ちの薬を調べたら、使えそうなのはバファリン(アスピリン)だけだった。

「おばさんこの薬お湯で飲んで、上着一枚重ねて暖かくして」と言ってバファリンを渡したのだ。

しばらくすると、「善ちゃんあれ何ていう薬、すごいね魔法みたい」と言って喜んでもらえた。

実はバファリンは発汗性解熱鎮痛薬の一種で、作用の仕方は葛根湯に似ている。ただし副作用があるので、できれば葛根湯を使いたい。


急性熱性病はむやみに熱を下げてはいけないのだ。しかし脳を熱から守るため、また体力を失わないようにするため、38.5度以上では解熱剤を使うことになっている。


公共電波にのせるのなら誤解がないようきちんと解説してほしいものだ。



 


posted by ZEN at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月06日

鎮痛剤の使い分け・ロキソニンが効かない場合

先日頭痛でお医者さんからロキソニンを処方され、何日も続けたのにあまり効かないのだが、それも無くなったのでとりあえず売薬のロキソニンを買い来たという方がみえた。

詳しく伺ってみると慢性頭痛とのことだった。ロキソニンは炎症がある場所の炎症を押さえて鎮痛効果を得るものなので、慢性頭痛のような神経性の痛みにはあまり効かないとお話をした。

薬局のお薬を使うより、精神科や内科で抗うつ薬や偏頭痛の薬を使ったほうが効果がよくなる場合があるので、お医者さんを紹介しましょうかと受診を勧めた。

だが受診する時間がないとのことだった。持ち合わせの薬を見てくださいとのことだったので、確認させていただいたのだが、お薬袋の中にイブプロフェンが入っていた。

イブプロフェンは末梢で痛みをブロックするほか、視床下部で痛覚伝導路をブロックする二重の作用があるので、とりあえずお試し下さいということで、お買い物はせずに帰宅していただいた。



薬局薬剤師の使命は薬をお売りすることではなく、より良い治療に導く振るいをかける役割と心得ている。



重い痛みの半分位は腰痛だと言われている。そのうち原因が特定できる腰痛は15%位、残りの原因がわからない腰痛⇒非特異性腰痛は85%のようだ。

原因がわかっている腰痛は腰のどこかに炎症が起きているわけだから⇒炎症性疼痛であるわけで、消炎鎮痛剤のロキソニンが効く。

一方原因がわからない非特異性腰痛は神経によるものが多いので、神経障害疼痛に効くリリリカが処方されることが多い。

慢性の痛みは全くゼロにはならないのが特徴で、痛みを軽くコントロールするという観点が必要だ。

よくロキソニンを毎日3回飲み続けている患者さんを見かけるが、副作用は必ず出ている。飲み続けるよりも痛みを軽くしてコントロールしようという観点が大切だ。

運動したり楽しい事をしていると人の体内ではドーパミンという物質が分泌される。ドーパミンはモルヒネに似た物質で、痛みの感覚を和らげる働きがある。

痛いからと体を動かさにのではなく、積極的に楽しく体を動かすことで痛みは軽くなるのだ。

いずれにしても漫然と同じ薬を頼らずに、痛みの専門家のお医者さんに相談したいものだ。そればかりではなく、診察時ロキソニンばかり要求すると、お医者さんも面倒なのでロキソニンですましてしまう。そのような患者さんをたくさん知っている。





posted by ZEN at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月02日

男性の更年期

更年期障害というと女性を思い浮かべるが、実は男性にも更年期障害はある。更年期障害に気がつかず、イライラ過ごされる方もさぞかし多いのだろうと推察する。

自分の友人達を考えてもあの頃更年期だったのだろうと思える人がいる。

まずは女性の場合から考察してみよう。日本人の閉経は45〜56才で、平均閉経年齢は51才だ。女性ホルモンの分泌量低下が起こり、体力的、精神的、機能的に老化してくる。骨粗鬆症を起こしがちなのも女性の特長だ。

男性の場合は女性よりも個人差が大きいのではと思える。80才を超えても男性として元気な方もいらっしゃる。男性ホルモンの分泌量の差なのだが、髪の毛の薄い人ほど分泌量は多いとの話もある。

男性ホルモンのテストステロンは精神機能のうち、集中力やリスクを判断するなど高次元の機能に関係しているそうで、不足すると色々な精神症状などが現れる。

順天堂大学医学系大学院泌尿器外科学の堀江 重郎先生によると。


     男性更年期症状

        精神症状: 健康感の減少
                不安
                いらいら
                うつ
                不眠
                集中力の低下
                記憶力の低下
                性欲の減少

        身体症状: 筋力低下、筋肉痛
                疲労感
                ほてり、発汗
                頭痛、めまい、耳鳴り
                性機能低下
                頻尿
                Morninng erectionの消失


どうだろう、周りに思い当たる方いらっしゃるのではないだろうか。最近みょうに怒りっぽくなった、元気が無い、ふさぎこんでいる等などの中高年の人。

女性の場合ホルモン補充療法は盛んに行われており、マルマツ薬局でも毎日多くの方がいらっしゃり、内服薬、塗り薬、貼り薬など様々なお薬が処方されている。

一方男性更年期のお薬が処方されたのは、外国人の方お一人だけと記憶している。

男性においては通常2週間おきに125mg〜250mgのテストステロンを筋注するとのことで、敷居は高いようだ。内服薬もあるが当店ではまだ処方箋を受けた経験は無い。

テストステロン補充療法(ART)で糖尿病が改善される。インスリン感受性、HbA1c値、腹囲、血清レプチン、コレステロール値を有意に改善した。

テストステロンは活性酸素による酸化ストレスを軽減することから、テストステロンの低下が血管の健康を障害すると考えられる

との堀江先生の報告がある。

試したくなるような内容だが、前立腺癌のリスクがあるとも言われている。ただしデーターによると死亡リスクはむしろテストステロン値が低いほうが問題のようだ。



posted by ZEN at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月30日

寒さと運動不足と食べ過ぎ

国保組合から送られてきた雑誌を見ていたら、「寒さと運動不足と食べ過ぎ(冬の3点セット)が大問題」とあった。

今年の冬はとにかく寒いと感じているのは私だけだろうか。暖冬が続いたため、平年並みはきつい寒さに感じてしまう。

確かに散歩に出かけるにも、朝晩は寒さにめげがちだし、鍋など冬の食は進みがちで、つい多く食べてしまう。

秋に比べ体重も2〜3kg増えてもいるし、ベルトもきつくなった感じだ。

お腹の脂肪が増えただけならさして問題は無いのだが、血管壁にもコレステロールはたまりやすくなってしまう。

血管壁にコレステロールが付着すると血管が狭くなり血圧が上昇する、その結果冬に動脈硬化による心筋梗塞、脳溢血などの疾患が増えてしまうのだ。


冬はお風呂に入るときやトイレなど、暖房の入った部屋との温度差に体がついていけず、血圧が急上昇することがある。

特にお風呂では熱いお湯に入ることで更に血圧は上がってしまうのだが、風呂から出ると血管は拡張し血圧は急降下してしまう。急激な血圧の変化が心筋梗塞や脳梗塞の原因になることがあるのだ。

温度差による血圧の乱高下をヒートショックと呼ぶ。脱衣所を温めておくとか、暖房便座を使用するとか心がけたいものだ。


posted by ZEN at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月16日

けいれん性便秘とこむら返り

マレーシア在住の姉が3ヶ月近く帰京してジョホールバルへ帰ったのは1ヶ月程前のことだった。日本へはある資格試験のチャレンジの為の一時帰国だったが、プレッシャーからか、マレーシアの田舎に帰るのが嫌なのか、胃の痛みを訴え、胃カメラやら人間ドッグやら、お医者さんに通っての滞在だった。

人間ドッグなどの検査結果は何も異常がないのに、胃潰瘍の薬が手放せない日々が続いていた。

帰国の日の早朝、ホテルグランドパレスからのリムジンバスに乗る姉をホテルまで送るために早起きしたのだ。

姉がお腹の具合もずっと悪く、ころころしたお通じしか出ないので「小建中湯」を飲んだらどうかと言われたのだけれど、マレーシアに持って帰りたいと相談されたのだ。

胃が痛い→病院で胃が荒れていると言われた→胃潰瘍の薬でOK と私の思考回路だったのだが、お腹の調子と痛みとコロコロしたお通じでそれはおかしいと直感した。

コロコロした固まった小さなお通じを「兎糞」と呼ぶ、うさぎの糞のようなお通じの事である。兎糞が出て、お腹が激しく痛むのは「痙攣性便秘」の典型的症状なのだ。

この場合漢方では「芍薬甘草湯」が使われる、帰国の朝で時間がないので4週間分を渡し帰国の途へ。

数日後姉から連絡が入り、あれほど永い間苦しんだ胃腸の激痛が3日間で完全に消失、お通じも正常に戻ったということだ。

痙攣性便秘は腸管が主にストレスにより緊張し、長い腸管内のあちこちで痙攣性の収縮が起こり、お通じがあっちに行ったり、こっちに来たりと、行ったり来たりするうちに水分が奪われ、コロコロと硬く小さのものになっていく便秘なのだ。


芍薬甘草湯は芍薬と甘草の2種類の生薬の単純な処方なのだが、漢方の代表的な痛み止めで、体質を選ばない使いやすい薬なのだ。

急激に起こる筋肉の痙攣を伴う疼痛や、こむら返り(下肢の痙攣性疼痛)に効果がある漢方薬なのだ。

漢方を良くご存知のお医者さんは、ゴルフで足がつったり、足の疲れの予防に、ラウンド前に芍薬甘草湯を一服飲んでいらっしゃる、先生によるととても効果があるとのことだ。



posted by ZEN at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。