2014年04月21日

糖尿病の治療目標

新しい考え方の糖尿病治療薬「スーグラ」がいよいよ発売された。SGLT2阻害薬と呼ばれる画期的な医薬品だ。

血液中の糖分は腎臓で糸球体で濾過されたあと、尿細管で再吸収されるのだが、この再吸収はSGLT2によりなされているのだ。尿細管でのSGLT2を阻害することにより、糖質の再吸収を抑制し、結果血糖値を低下させるのがSGLT2阻害薬なのだ。

インスリンをより多く出させようとするこれまでの糖尿病薬と違い、すい臓に負担をかけない作用機序なので大いに期待できる新薬だ。

糖尿病の専門医の先生のお話をお聞きする機会が何度かあったが、お医者さんは今のところ否定的な方が私の周りでは多いようだ。

お話によると「これまで食後過血糖を改善させ、尿中に糖を出さなくするのを目標としてきたのに、真逆の尿糖として体外に糖を出させるのは考えにくい」とのことだった。

患者が薬にたより、過大な期待を抱くのも考えものとのことで、尿糖を出さなくする生活習慣を身につけさせたいのだそうだ。

どちらも尤もな事なのだが、より良いクオリティが得られるのであれば、新薬に期待するのは患者の気持ちとして当たり前の事である。

糖尿病の治療の目標値に「HbA1c・ヘモグロビン・エー・ワン・シー」という有名な指標がある。HbA1c6.0%未満を目標と従来してきたが、この治療目標が変わってきた。


血糖正常化を目指す際はHbA1c 6.0%以下、ただし適正な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合、または薬物療法中でも低血糖などの副作用なく達成可能な場合の目標とする。


合併症予防のためにはHbA1c 7%未満

治療強化が困難な際はHbA1c 8%未満


という新たな目標が糖尿病学会により決められた。それは治療の考え方が患者中心主義へと変わってきたからだ。

患者さんの病歴や体質年齢を考慮すると、血糖の目標HbA1cを6%未満にすることにより、低血糖のリスクを増やしてはいけない。

高血糖が原因で直ちに病になることはないが、低血糖は死に至ることもある致死性不整脈などの心血管の病気のリスクが高くなってしまう。

厳格な血糖コントロールにより、重篤な低血糖を起こしてしまったら治療の意味がないのだ。

亡くなった母も厳格な血糖コントロールにより抵抗力が弱まり、肺の感染症にかかってしまった。

糖尿病の治療は合併症の予防が第一で、血糖コントロールとのさじ加減で行わなければならない。

つい最近の講習会では


糖尿病の治療には食後高脂結症の改善が大切である


と解説していた。食後の血液が糖分でドロドロになるのもいけないが、むしろ油でドロドロになることに気をつけなければいけないとのことだった。難しかったがとても勉強になった講習会だった。






posted by ZEN at 16:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 糖尿病・ダイエット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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